【米国株】ナンシー・ペロシ氏が買いたい8つの銘柄

2022年に禁止の動きがあったにもかかわらず、議員は依然として株取引を行い、ペロシ氏の動きは高いリターンで注目されている

2022年、ナンシー・ペロシ元下院議長は、上院がまもなく議員による個別株取引を禁止する法案を採決すると発言した。しかし約3年後の現在、ペロシ氏はすでに下院議長を退任し、議員たちは依然として45日以内に取引を公開する条件で個別株の売買が許されている。

実際、ソーシャルメディアの投資家たちは、ナンシー・ペロシ氏とその夫で投資家のポール・ペロシ氏の株取引を注視している。彼らの取引は強いリターンを生み出してきたためだ。以下は、ペロシ夫妻の直近8件の株式購入である。

Broadcom Inc. (AVGO)

ブロードコムは世界的なアナログ半導体サプライヤーで、AI関連需要の高まりから恩恵を受けている。大手顧客にはApple、Google、Ciscoが含まれる。

  • 2024年6月、ペロシ氏は行使価格80ドル（株式分割調整後）のブロードコムのコールオプション20件を購入（満期2025年6月）。
  • 同月、ブロードコムのコールオプション200件を行使し、株価より71%割安で2万株を取得。
  • この取引以来、株価は85%上昇。

Alphabet Inc. (GOOG, GOOGL)

GoogleとYouTubeを傘下に持つ世界的なオンライン広告大手。

  • 2022年9月、200件のコールオプションを行使し、2万株のクラスC株を取得（オプション購入は2021年12月）。その間に株価は27%下落。
  • 2022年12月、3万株のクラスA株を売却。
  • 2025年1月、行使価格150ドルのコールオプション50件を購入（満期2026年1月）。

Amazon.com Inc. (AMZN)

ECとクラウドサービスのリーダー。

  • 2025年1月、行使価格150ドルのコールオプション50件を購入（満期2026年1月）。
  • AWSはNSA、国防総省、海軍など米政府機関の契約を獲得している。
  • 民主党のペロシ氏だけでなく、共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員やドナルド・トランプ前大統領も投資しており、超党派で人気の銘柄。

Nvidia Corp. (NVDA)

AIやスーパーコンピュータ向け高性能GPUを手がける。

  • 2023年11月、コールオプション50件を購入（満期2024年12月20日）。
  • 2024年6～7月、2万株を購入。
  • 2024年12月、5万株をオプション行使で取得、その後1万株を売却。
  • 2025年1月、行使価格80ドルのコールオプション50件を購入（満期2026年1月）。

Tempus AI Inc. (TEM)

医療分野のAI診断・サービス企業。

  • 2025年1月13日、行使価格20ドルのコールオプション50件を購入（満期2026年1月）。
  • その8日後、Tempusは新しいAI搭載アプリ「olivia」を発表。
  • 時価総額が小さいため、ペロシ氏の投資は大きな材料となり、2025年に株価は138%上昇。

Vistra Corp. (VST)

米20州で電気・ガスを提供する公益企業。

  • 2025年1月、行使価格50ドルのコールオプション50件を購入（満期2026年1月）。
  • 2024年に原子力発電容量を拡大。AI需要によるデータセンターの電力需要増加で恩恵を受け、公益株らしからぬ成長性を見せる。

Palo Alto Networks Inc. (PANW)

世界有数のサイバーセキュリティ企業。

  • 2024年2月、行使価格200ドルのコールオプション70件を購入（満期2025年1月17日）。政府契約も多いため、取引は一部で批判を呼んだ。
  • 2024年12月、コールオプション140件を行使し、1万4,000株を取得。

Microsoft Corp. (MSFT)

世界最大級のソフト・クラウド企業で、AI分野でも先行。OpenAIに約140億ドルを投資。

  • 2022年5月、行使価格180ドルのコールオプション50件を購入（満期2023年6月）。
  • 2023年6月、オプション行使により5,000株を取得。
  • 直近では2024年7月、5,000株を売却し大きな利益を得た可能性。

まとめると、ペロシ夫妻の取引は AI関連（Broadcom, Nvidia, Microsoft, Tempus AI, Alphabet）と政府関連（Amazon, Palo Alto Networks, Vistra） に集中しており、今も市場参加者から注目される存在になっています。

ペロシ夫妻の株式投資戦略 分析

1. 投資テーマの共通点

ペロシ夫妻の銘柄選択には、以下の大きなテーマが共通しています：

  • AI関連
    • Broadcom, Nvidia, Microsoft, Alphabet, Tempus AI
      → 半導体、クラウド、ソフトウェア、医療AIなど AIエコシステム全体に分散投資。
  • 政府とのつながりが強い企業
    • Amazon（AWS契約）、Palo Alto Networks（政府サイバーセキュリティ契約）、Vistra（原子力でデータセンター需要対応）
      → 公共契約・規制産業に強みを持つ企業に注目。

つまり「AI + 政府支出に支えられる産業」への集中が見える。

2. オプション取引を駆使

  • ペロシ氏は コールオプション（株価上昇に賭ける権利） を頻繁に利用。
  • 行使時には「大幅割安で株を取得」し、成功すれば市場価格との差益を確保。
  • 特にBroadcomやNvidiaのように、オプション→株式転換→一部売却というパターンを多用。

→ 高リスク・高リターン戦略だが、的中率が高いため市場で注目されている。

3. タイミングとイベント活用

  • Tempus AI：オプション購入から8日後に新アプリ発表 → 株価急騰。
  • Vistra：原子力拡大とAIデータセンター需要のテーマが重なるタイミングで投資。
  • Microsoft / Amazon：政府契約やAI投資が材料視される時期に参入。

→ イベントドリブン（材料先取り型）投資を行っている可能性が高い。

4. 投資スタイルの特徴

  • 集中と分散のバランス：
    • 集中：AI関連に偏り
    • 分散：その中で半導体、クラウド、医療AI、電力インフラなど複数分野に展開
  • バイアス：
    • 政治的に影響力のある業界（政府契約、エネルギー、セキュリティ）を選好。
    • 民主党・共和党を問わず、政策的に追い風がある企業を狙う傾向。

5. 投資家への示唆

  • AIと公共契約銘柄は今後も成長テーマとして有力。
  • オプションを活用した資産拡大はプロ向け戦術で、一般投資家にはリスクが大きい。
  • 材料・イベントを先読みした投資はリターンが大きいが、情報力が不可欠。

✅ まとめ
ペロシ夫妻の投資は「AI＋政府契約」という2大テーマに集中しており、

  • 半導体（Broadcom, Nvidia）
  • クラウド（Amazon, Microsoft, Alphabet）
  • セキュリティ（Palo Alto）
  • インフラ（Vistra, Tempus AI）

といった領域で、成長性と安定性を兼ねたポートフォリオを構築している。
一般投資家が真似するなら「AI関連ETF＋インフラ/公益ETF」を組み合わせる形が現実的です。

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Posted by sugi