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米国株投資というと、AI株や半導体株のような成長株に注目が集まりがちです。
しかし、株価が大きく上がった銘柄を追いかけるのは、どうしても高値づかみのリスクがあります。
そこで注目したいのが、割安感のある高配当株です。
高配当株の魅力は、保有しているだけで配当金を受け取れるインカムゲインが期待できることです。
さらに、業績回復や金利低下、投資家心理の改善によって株価が見直されれば、キャピタルゲインも狙えます。
つまり、うまく選べば「配当をもらいながら株価上昇も待てる」投資ができるのです。
ただし、高配当株には注意点もあります。
配当利回りが高い銘柄の中には、株価が大きく下落した結果、見かけ上の利回りだけが高くなっている銘柄もあります。
いわゆる「利回りのワナ」です。
この記事では、配当利回りだけでなく、事業の安定性、割安感、反発材料、リスクを総合的に見ながら、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙える米国高配当株5銘柄を紹介します。
今回の選定基準
今回の5銘柄は、単に配当利回りが高いだけで選んだわけではありません。
選定基準は次の通りです。
・配当利回りが比較的高い
・事業基盤が安定している
・株価に割安感や出遅れ感がある
・業績回復や見直し買いの材料がある
・減配リスクを無視できない銘柄は慎重に評価する
高配当株投資では、「たくさん配当をもらえるか」だけでなく、「その配当が続くのか」「株価がさらに下がらないか」を見ることが大切です。
では、注目の5銘柄を見ていきましょう。
1. Pfizer:高配当化した大型製薬株
最初に紹介するのは、ファイザーです。
ファイザーは世界的な大手製薬会社で、ワクチンや医薬品を幅広く展開しています。
近年は新型コロナ関連製品の売上減少により、株価が長く低迷しています。
その結果、配当利回りはかなり高い水準になっています。
ファイザーの魅力は、世界的な医薬品企業としての事業基盤があるにもかかわらず、株価が大きく見直されていない点です。
市場はコロナ特需の反動や特許切れリスクを警戒しています。
一方で、ファイザーはがん領域や肥満症領域など、次の成長分野への投資を進めています。
特にSeagen買収による抗体薬物複合体、いわゆるADC領域の強化は、中長期の成長材料として注目されています。
ファイザーは短期で急成長する銘柄というより、株価低迷中に高い配当を受け取りながら、医薬品パイプラインの回復を待つタイプの銘柄です。
ただし、リスクもあります。
新薬開発が思うように進まない場合や、主力薬の特許切れによる売上減少が大きくなれば、株価の回復には時間がかかる可能性があります。
ファイザーは「高配当だが、復活には時間が必要な銘柄」と考えるのがよさそうです。
2. Verizon:通信インフラの安定配当株
2つ目は、ベライゾンです。
ベライゾンは米国の大手通信会社で、スマートフォン回線、ブロードバンド、法人向け通信サービスなどを展開しています。
通信インフラは生活に欠かせないサービスであり、景気が悪くなっても需要が急激に消えにくいのが特徴です。
そのため、ベライゾンは高配当株として長く注目されてきました。
ベライゾンの魅力は、安定したキャッシュフローです。
通信事業は大規模な設備投資が必要ですが、一度顧客基盤を作れば継続的な収入が入りやすいビジネスです。
2026年は事業改革が進み、携帯契約者数やフリーキャッシュフローの改善も注目されています。
株価面では、成長株のような派手さはありません。
しかし、低めのバリュエーション、高い配当利回り、安定した通信需要を考えると、インカムゲイン狙いの投資家にとっては有力候補になります。
キャピタルゲインを狙うポイントは、通信事業の成長率改善と負債削減です。
通信会社は借入が多いため、金利が下がる局面では見直し買いが入りやすくなります。
一方で、リスクは競争激化と高い負債です。
AT&TやT-Mobileとの競争が続く中で、顧客獲得のための値下げや設備投資負担が大きくなれば、利益率が圧迫される可能性があります。
ベライゾンは、値上がり益を大きく狙うというより、配当をもらいながらじっくり保有する守備型の高配当株です。
3. UPS:物流回復で反発を狙う高配当株
3つ目は、UPSです。
UPSは世界的な物流会社で、米国内配送、国際配送、サプライチェーン関連サービスを展開しています。
近年は荷物量の伸び悩みや人件費上昇、景気減速の影響を受けて株価が低迷しました。
その結果、配当利回りは高い水準になっています。
UPSの魅力は、景気回復局面で株価が見直されやすい点です。
物流企業は経済活動と密接に関係しています。
個人消費、企業活動、EC需要、国際貿易が回復すれば、荷物量や利益率の改善につながる可能性があります。
さらにUPSは、効率化やコスト削減にも取り組んでいます。
短期的には業績の弱さが残る可能性がありますが、構造改革が進み、利益率が改善すれば、株価反発の余地があります。
UPSは、配当収入を受け取りながら物流サイクルの回復を待つ銘柄といえます。
ただし、注意点もあります。
物流業界は景気の影響を受けやすく、燃料費や人件費の上昇も重荷になります。
また、Amazonなど大口顧客との関係変化もリスク要因です。
UPSは安定配当株でありながら、景気敏感株としての側面もあります。
そのため、ディフェンシブ銘柄というよりは、「高配当の景気回復待ち銘柄」と見るのがよさそうです。
4. Realty Income:毎月配当が魅力の米国REIT
4つ目は、リアルティ・インカムです。
リアルティ・インカムは米国を代表するREITで、「The Monthly Dividend Company」として知られています。
名前の通り、毎月配当を支払うことで有名な銘柄です。
投資対象は商業施設や店舗、物流施設などで、長期賃貸契約を結ぶ不動産を中心に保有しています。
リアルティ・インカムの魅力は、安定した賃料収入と毎月配当です。
高配当株の中でも、毎月配当を受け取れる銘柄は日本の個人投資家にも人気があります。
2026年時点でも、同社は継続的に配当を増やしており、配当投資家からの信頼感は高いです。
キャピタルゲインを狙う材料は、金利低下です。
REITは金利の影響を受けやすい資産です。
金利が高い局面では、債券利回りとの比較でREITが売られやすくなります。
一方で、金利が下がれば、不動産株やREITに資金が戻る可能性があります。
つまり、リアルティ・インカムは「毎月配当をもらいながら、金利低下による株価回復を待つ」銘柄といえます。
リスクは、不動産市況の悪化と金利の高止まりです。
また、小売店舗向け不動産を持つため、テナントの業績悪化や倒産リスクもゼロではありません。
ただし、保有物件数が多く、テナントも分散されているため、単一企業への依存度は比較的抑えられています。
安定した配当収入を重視する投資家にとって、リアルティ・インカムは候補に入れたい銘柄です。
5. Chevron:エネルギー高配当株の王道候補
5つ目は、シェブロンです。
シェブロンは米国を代表する大手エネルギー企業で、原油・天然ガスの生産、精製、販売まで幅広く手がけています。
エネルギー株は資源価格の影響を受けやすい一方で、強いキャッシュフローを生みやすいセクターです。
シェブロンの魅力は、株主還元の厚さです。
同社は配当だけでなく、自社株買いも積極的に行っています。
原油価格が堅調に推移すれば、利益とキャッシュフローが増え、株主還元の余力も高まりやすくなります。
また、地政学リスクやエネルギー供給不安が高まる局面では、エネルギー株が見直されることがあります。
高配当を受け取りながら、原油価格や資源株への資金回帰によるキャピタルゲインを狙える点が魅力です。
ただし、シェブロンは完全なディフェンシブ株ではありません。
原油価格が大きく下落すれば、業績も株価も影響を受けます。
また、脱炭素の流れや規制強化も長期的なリスクです。
シェブロンは、高配当株でありながら、資源価格の波に乗る銘柄です。
安定配当を求めつつ、エネルギー相場の上昇も狙いたい投資家に向いています。
5銘柄の比較表
| 銘柄 | ティッカー | 予想配当利回りの目安 | 魅力 | 主なリスク |
|---|---|---|---|---|
| Pfizer | PFE | 約7.3% | 大型製薬株の回復期待 | 新薬開発・特許切れリスク |
| Verizon | VZ | 約6.1% | 通信インフラの安定収入 | 負債・競争激化 |
| UPS | UPS | 約6.0% | 物流回復による反発期待 | 景気敏感・人件費上昇 |
| Realty Income | O | 約5.2% | 毎月配当と金利低下期待 | 金利高止まり・不動産市況 |
| Chevron | CVX | 約4.1% | エネルギー株の株主還元 | 原油価格下落リスク |
高配当株投資で注意すべきポイント
高配当株は魅力的ですが、配当利回りだけで飛びつくのは危険です。
特に注意したいのは、次の3つです。
1つ目は、配当性向です。
利益に対して配当を出しすぎている企業は、業績が悪化したときに減配する可能性があります。
2つ目は、フリーキャッシュフローです。
会計上の利益が出ていても、実際の現金収入が弱ければ、配当を続けるのは難しくなります。
3つ目は、株価下落の理由です。
配当利回りが高い銘柄は、株価が下がっているから高利回りに見えているだけの場合があります。
つまり、高配当株投資では「なぜ高配当なのか」を必ず確認する必要があります。
業績が一時的に悪いだけなのか。
それとも事業そのものが衰退しているのか。
この見極めが非常に重要です。
まとめ:高配当株は“守りながら攻める”投資に向いている
今回は、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙える米国高配当株として、ファイザー、ベライゾン、UPS、リアルティ・インカム、シェブロンの5銘柄を紹介しました。
どの銘柄も配当利回りが比較的高く、事業基盤も一定の強さがあります。
一方で、それぞれに明確なリスクもあります。
ファイザーは新薬開発と特許切れ、ベライゾンは負債と競争、UPSは景気敏感性、リアルティ・インカムは金利、シェブロンは原油価格が重要なポイントです。
高配当株は、うまく活用すれば配当を受け取りながら株価回復を待てる魅力的な投資対象です。
ただし、利回りの高さだけで選ぶのではなく、配当の持続性と株価上昇のシナリオをセットで考えることが大切です。
守りの配当と、攻めの値上がり益。
この両方を狙うなら、割安な高配当株はポートフォリオの有力な選択肢になるでしょう。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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